アトリエ2年目〈石膏像ペインティング〉

アトリエ2年目〈石膏像ペインティング〉

アトリエの2年目(Painting Year)では「キャストペインティング(石膏像ペインティング)」に取り組みます。
1年目(Drawing Year)の授業では鉛筆で紙に石膏像を描きました。

2年目のキャストペインティングの授業ではセッティングした石膏像を油絵の具を用いてキャンバスに描きます。今回は2022年の秋~冬の授業で石膏像を描いたときの制作過程を写真と一緒にまとめてみました。

1. キャストペインティングとは

以下はアトリエのwebサイトのカリキュラムのページからキャストペインティングの授業の説明を引用したものとその訳です。

Cast Painting
This course continues the study from plaster casts and serves as an introduction to the medium of oil paint. Using GCA’s collection of features and heads, artists draw the cast, transfer the drawing to linen, and then paint in oil grisaille using a neutral palette of pre-mixed values. Continuing to think sculpturally, artists learn to model forms in light with the greater value range and speed that oil paint allows.
(引用)Grand Central Atelier | Painting Year

(翻訳)キャストペインティング
このコースは石膏像からの学習を続け、油絵の具という画材への入門として役立ちます。GCAが所蔵する顔のパーツや頭部の石膏像を使い、アーティストたちは石膏像を描き、そのドローイングをリネンに転写し、あらかじめ調合されたニュートラルなパレットを使って油彩のグリザイユで描きます。彫刻的な思考を続けながら、油絵の具が可能とするより広い明度の範囲・描くスピードにおいて、ライトの中で形状をモデリングすることを学びます。 

上の文章の中に出てくる「あらかじめ調合されたニュートラルなパレット」ですが、ヴァンダイクブラウンとチタニウムホワイトを比率を変えながら混ぜて作った明度の異なる白~グレー~黒の絵の具(図1)を用いて描くということです。それらの絵の具を(図2)のようにパレットに出し、セッティングされた石膏像を見ながら(図3)のように絵の具でキャンバスに描きます。

2. 準備

もともと売られているキャンバスやパネルに描くこともできるのですが、今回は自分でキャンバスを張るところから始めました。

キャンバスは「Centurion(センチュリオン)」というメーカーの、油絵用の非吸収性地のリネンキャンバスです。これをロールで購入し、キャンバスを張るたびに必要な分を切り取って使っています。

キャンバスを張るための木枠は、いろんな長さの木枠のパーツが一本ずつバラ売りされているので、ほしい長さのものを4辺分買います。

キャンバスの布と木枠がそろったら、ガンタッカー(図4の左上。ホッチキスのような道具)とキャンバス張り器(図4の右。ガンタッカーを打つときにはさんで引っ張る)を使って自分でキャンバスを張ります。ステープルリムーバー(左下)はガンタッカーの針を抜くときに使います。

キャンバスを張り終わったら、自分の場合は油絵の具のヴァンダイクブラウンとバーントアンバーを混ぜたものをターペンタインで薄めてキャンバスに塗ります。キャンバスが乾いたら下図を転写します。

3. 制作過程

3.1. ダビデ像の耳の石膏像

3.2. ダビデ像の唇の石膏像

3.3. メディチ家の聖母の頭部の石膏像

4. キャストペインティングの授業を受けて

アトリエ1年目は鉛筆を使って人物と石膏像を描きました。2年目では石膏像やモノクロの人物画、そしてカラーの人物画を描きます。色を使って人物を描くようになると明度以外にも色相や彩度も同時に考えなければなりません。その前に石膏像を描くことで、明度に集中し、その移り変わりを観察・表現する基礎的な方法を身に着けることができました。

画像は授業で描いた人物画と人物画を描くときに使ったパレットです。パレット上には無彩色の明度の移り変わりのラインがあり、その下に明度や彩度、色相が少しずつ変化した混色エリアがあります。いろんな色の絵の具を使っていても明暗の移り変わりをしっかり意識しているのが伝わるでしょうか。

このように、石膏像ペインティングの授業はその後につながる大切な経験だったのですが、それと同時に、明暗を捉えながら時間をかけて石膏像を描く中で石膏像の美しさを感じることができ、描くのが楽しかったです。みなさんも石膏像を描いてみてはいかがでしょうか。


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